2018年12月29日土曜日

投げ銭;ネット寄付導入と考察:研究の糧に、本業とは別ルートでお金を得る試み_#219

投げ銭と言われる、ネット寄付について考察する記事です。科学者件ブロガーの、この私、神庭圭佑の支援リンクの掲載を通して、科学者、研究者が本業とは別の方法で、自前でお金を取ってこれる方法を確立したいと思います。

特に「~に関する研究」ではなく、「研究者個人」に寄付をもらう方法を模索したいと考えています。理由は自由度と主導権。前者では、所属の規定と、依頼仕事に近くなり、やりたいようにやる的な、現場で研究する人が望みがちな方向ではないからです (詳細後述)。


目次
  1. 経緯。研究者は成果を上げても基本的には所得が増えない。
  2. 国家予算における研究費の内訳
  3. 研究者が本業以外で収益を得る試みとしての投げ銭について。
  4. 投げ銭を私が導入してみた。
  5. まとめ

1.経緯。研究者は成果を上げても基本的には所得が増えない。
研究をやっての気付き、と驚きから。一般に大学等の研究機関の場合、実は研究成果をたくさんあげている研究者 (一般には優秀と言われる研究者) とそうでない研究者の給料は役職が同等であれば同じ(昇進すれば所属機の肩書に準じて増える。成果をあげている研究者ほど本、講演の機会が多く訪れ、そこから収益が生じることはある)。研究費は「研究のため」に使うことはできるが、私的に使うことは厳しく禁止されている(不正流用にあたる)。一方、私費を投じて研究に活用する分には、どうやら特に問題はないようだ。成功した例では、David E. Shaw氏が有名 (規模が大きすぎてあまり参考にならないと思うが、成功例の紹介も必要だろう)。だとしたら、研究者が獲得できる研究費と別口で資金調達ができれば、地位や立場や実績が研究者として充分に認められる前に、そういう人たちと同程度の資金を調達することができるかもしれない、と私は考えた。

2. 国家予算における研究費の内訳
そこで、世に出回っているお金の中で、科学者が使うことのできるお金がどれくらいあるか考察してみよう。
左上から順に、
  1. 科研費(主として文部科学省)、約2000億円。所謂研究者が自由に提案したアイディア(ボトムアップ型)を研究者が審査し、交付される研究費。一般的には、大多数の研究者はこちらの区分から研究費を獲得する。
  2. それ以外の研究費(経産省、厚労省、防衛相等を含む)、約3.5兆円。大型の研究費はだいたいこちら。故にこちらを獲得できる研究者は限られる。トップダウン型が多く、社会実装を目指すものが多い。国の方針や、企業や行政を巻き込んだレベルの内容が多い。
  3. 日本の国家予算、約100兆円。年々社会保障費等が大きくなり、人口減少で税収の減少が見込まれる中、今後の配分はどうなるか。。
  4. 比較のために、日本人の金融資産総額(預金、保険、不動産、株式、債券等)、約1000兆円

つまり、多くの研究者が獲得を目指す競合的研究資金「科研費」は、国の研究費の5%で研究費は国家予算の4%程度、科研費というのは国民全体で100万円預金がある人が100円支払えば全て賄える額だということ。
起業と比較すると、研究開発にお金を投入する企業は、おおよそ売り上げの5~20%程度を研究開発に投入しており、世界11位、日本1位のトヨタ自動車の研究開発費は科研費の約2倍程度。
参考:企業の研究開発費ランキング、1位はアマゾン - ITmedia ビジネスオンライン


このように考えると、研究者が使うことができているお金は、「思っていた以上に少ない」と私はおもいますが、いかがでしょうか?もし少ないとしたら、行政、特に文科省や経産省、厚労省、農水省等を非難するのは不適切なのではないかと思います。(行政に働きかけるとしたら、これらの省庁と研究者が協力して内閣、内閣府、財務省あたりに提言するのが適切な形なのではないかと思います。)もし少ないとしたら、その原因は恐らく、研究開発側が自分たちだけで話を進め、自分たちの研究や仕事の価値を、一般の方にわかるように説明してこなかった結果、正しく価値が認知されていないのではないか、と私は考えます。実際朝活や異業種交流会に参加してみて、研究開発や博士取得者ではない人たちと話してみて、多くの場合「今すぐ私の役に立つこと」を求めている。研究開発で得られるのは「いつか未来の誰かの役に立つかもしれない知見」が多い。特に、基礎研究に関しては。研究は投資に相当するので、未来、それも自分に使えるとは限らないノウハウに対して一般の同意を得るのは酷なところがあると私は思います。「私たちの子孫のレベルで役に立つかもしれない研究より、今私の目の前の介護や福祉にお金を使ってほしい」と思われているのではないかとも思います。研究を発信する場合、一般向けの啓発以上に、当然、プロに向けたプロの情報 (いわゆるB to B ビジネス的) が必要です。研究者が行う仕事の大半はプロに向けた仕事です。論文、研究発表は基本的にはプロ向けの情報で、学生相手に研究を紹介するときも、いつか当事者になる人たちに向けた説明、プロスポーツ選手がそのスポーツをやっている子供にする説明に近い教え方をすると思います。一方、大衆の求める「「今すぐ私の役に立つこと」方向は、「プロに向けた研究者本来の仕事」とは全く方向が異なります。例えば研究者のクラウドファンディングで成功例が少ないです。その理由は、恐らくリターンが投資者のほしいものではないからだと思うのです。これは、私自身が投資家をしているからよくわかります。投資家としてお金を出すのは、「私に利益を出すもの」か「応援したいもの」です。現時点で、一般レベルでそう思われている研究者はごく一部に限られる印象をもちます。

正直、研究に関わったことがない人が研究者を見る目線は、非ヲタがヲタを見る目線と似ていると思います。凄いかもしれないけど、理解できないし、自分と事人たちは違う的な。その差を埋めることが恐らく研究費の総額をあげるためには必要なのではないかと思うのです。世間一般から見ると、研究の魅力を一般に認知する、所謂B to Cビジネス的な営み、は研究者の仕事だと考えられていて、これがこの記事を書いた時点の研究の業界では弱いのではないかと思うのです。例えば、テレビの番組をみてロボットに興味をもった子供がいたとして、検索した結果、似たようなことは●●大学の〇〇先生が**の仕事をやっている、とまでたどり着けるか?現状はNoだと思います。研究者の本文は研究なので、研究者の時間を一般に周知する方向に大きく割くのは本末転倒だと私は思います。前述のロボットの例であれば、そのような仕事は大学の広報部等に担ってほしいと思います。プロの情報にたどり着くまでの橋渡し的なことは、サイエンスコミュニケーションであったり、メディアや教育機関等が力を入れている部分でもあって、研究側はこのような人たちと力を合わせて、一緒に研究の業界を盛り上げていく地盤をつくることが必要なのだと思います。

それとは別に、研究の世界で使われているノウハウが役に立たない (例えば企業の一部では大学院、特に博士卒の評価が著しく低い等) と考えられるのが癪なので、プロの研究者として使ったノウハウが一般レベルで役に立つことを私は紹介してみようと思い、ブログをはじめました。博士の就職難等と言われるのであれば、研究の業界で獲得してきたことが役に立つことを示せば、大衆レベルで研究者や研究に対する印象が良くなることを期待しています。

3. 研究者が本業以外で収益を得る試みとしての投げ銭について
このようにブログをはじめ、広告を張ることや、投資を含めた金融リテラシー(多くの理系研究者関係者は高学歴なのにも関わらず、金融リテラシーがほとんどないことが多い。学生のうちから働きだしたとしても、興味を持つ層はごく一部)の話を勉強するうちに、資金調達方法がいろいろあることを学んでいきました。研究者以外ともかかわる中で、例えばミュージシャン等は自身のライブ活動等でお客さんからお金をもらうことがあり、そのようなアプリ等も世に出ていることを認知しました。多くの研究者は、このような方法にはかかわっていないこともわかりました。なんにせよ、やってみることには大いに意味があると思うのです。給料以外の方法で、直接お金をもらうことは何も悪いことはしてないはずですからね笑。

また、行政を動かすのは大変です。政策提言等、大きな時間と手間とお金 (それも税金) がかかります。前例なしに動くことは稀でしょう。それに対して、個人が動くハードルは低い。難易度としては規模にもよるでしょうが、個人<<法人、団体<行政、といったところでしょうか。行政や団体が動き出す参考情報としても、個人として動いた人の情報は、意思決定にかかわるのではないかと思うのです。案ずるより産むが安し、口を動かすより先に行動してしまったほうが早い、と私は判断しこのような行動をとりました。やり手がいないということは、一般には、メリットがないか (誰かが挑戦した結果うまくいかなかったことも含め)、だれもやってない (着目されていない) かのいずれかだと思います。成功すれば先駆者になれるメリットがあるでしょう。行政を動かす前に、研究者のお金に対する意識を変えることで、資金調達の方法は増えるかもしれない、とも思います。私でも、専門でもない金融だとかポイントとかについても短期間で上達しましたし、開拓する意味はあると思います。

通常の方法で研究者としてキャリアアップを目指しながら、科学者、研究者が研究費以外で活動資金を得ることができるか模索したいと思いました。

特に「~に関する研究」ではなく、「研究者個人」に寄付をもらう方法を模索したいと考えています。理由は自由度と主導権。この記事を書いた時点で私が所属している京大の規定では、前者の場合は、大学の設備を使う研究で・具体的な研究テーマに対しての支援をもらう場合は、一旦大学に寄付をして、その後個人の研究費に振り替えられる形式となります (事務手数料として一部減額されます)。これに対して、後者では、研究以外の用途にも活用できます (例えば生活費であったり)。こちらの方向については、掘る人は少ない印象を持っています。

また、前者では依頼仕事の要素が強く、出資額が増えるほど、出資者の意向に沿った内容に寄せざるを得ないのに対して (株式会社に対する株主、政治家と支援者の関係と似ています。大口の出資者に対してはどうしても現場の立場が弱くなります)、一方で、後者は何に使うかをこちらでコントロールしやすく、自由度が高いからです。言い換えると、前者のやり方は既存の方法で出資者を別に探すやり方、後者のやり方が方法そのものを別に探すやり方と言えるでしょう。この、投げ銭」という方法は、まさに研究者個人への寄付であり、ふさわしいのではないかと思うのです。


少子高齢化の中で、国家予算の中で医療、介護、育児等への需要が高まる中、今後は研究費が減額される可能性があり(実際大学の運営費交付金は減額されています)、研究活動、特に自身の生活のための資金調達の方法を模索したいです。というのも、研究成果を挙げれば研究費を獲得できる場合がありますが、研究費を生活費にあてることができないのです(不正流用にあたる違法行為となります)。仮に研究費が獲得できていても、研究を行う「立場」と「生活のための資金」がなければ研究を続けることはできず、例えば所属する機関で任期が切れた場合は研究を続けることができなくなります。研究者として成果の大きさに関係なく同一の機関に所属していれば給料は同じなので、まだ立場が低い若手のうちは経済的にも苦しい場合があります(例えば、介護等、家族を支えるのは困難です)。このような不安定な状況から、研究の道を断念したり、心を病んでしまう人がいるのが実情です。生活費が足りなくなった結果、研究を断念した例は私の知人も含めて多いです。一方、生活費を研究費に回すことは、制度上問題なく、研究費とは異なる方法で資金を調達できれば、生活費、研究費(の一部、例えば旅費)の双方に活用できるのではないかと思い立ちました。まだ立場や実績が大きくないうちから、資金源をつくることができれば、将来の不安の一部が解消される若手研究者が増え、研究現場に流れる人材と資金が増えることにより研究成果もでやすくなるかもしれないと思いました。周りがやらないからこそ、私が挑戦します。この記事を書いた時点で私はポスドク、知名度が十分に上がった有名研究者になる前にやるからこそ価値があると思います。と言うのも、他の人、特にポスドク問題や就職問題の当事者が使える形に落とし込めないと、僕のためだけで終わってしまい、研究業界に一石を投じたことにならないからです。研究で培ったノウハウを研究以外の場にも活用することも模索します。同時に、博士号や研究をやってきたノウハウは研究をやる以外にもちゃんと活躍ができることを示したいと思っています。


4. 投げ銭を私が導入してみた。
方法をいくつか調べ、研究活動と組み合わせられそうなものをいくつか選びました。(私の場合は、私が趣味ブロガーで、ブログという発信ツールを持っていることも考慮しました。私の中でのブログは、研究活動を本業としたときの、遊び、せいぜいゲームのような位置づけです。例え本業以外に趣味をもったとして、のめりこみすぎなければ、仕事に支障ないのは、研究もそれ以外でも同じだと思います。
  1. 銀行振込 
    認知度としてはこれか。手数料等が生じる場合があること、やりとりに個人情報が必要になる場合があること、利用時間が限られることがあることがデメリット。口座を公開しても特に不利益を被らないです(4-6)。念のため、押し貸しやカード偽造等の対策として、メインで使う口座は公開しない事、振り込まれたものは理由を問わず返金しないことを明記するとよいと思います。口座の公開は、プロの発達障碍者 桜井さんのやり方を参考にしました。
  2. Kyash (or PayPay)
    1円単位で可。還元率2%のKyash VISAプリペイドカード (Web限定のバーチャルカードと実店舗で使えるリアルカード)が有名。割り勘や個人送金用としても手数料無料なのが良い。支払う側も受けとる側も個人情報を公開する必要がない。スマホのみなのが難点。(3) 同様に、PayPayからもQRコードで個人間送金ができる。
  3. Pay.Pal.Me
    上のKyashからチャージ可。要Pay.Pal.アカウントで、海外からの送金も受けられる。支払う側も受けとる側も個人情報を公開する必要がない。(1,2)
  4. Polca
    クラウドファンディングを知人等、小規模で行うフレンドファンディング」の形態。支払う側も受けとる側も個人情報を公開する必要がない。300円程度から。スマホのみなのが難点。やや拡散しずらい。(1,2)
  5. ブログの閲覧による広告収入
    ブログ等に広告を張って広告収入を得る形。アフィリエイト等。拡散されればされるほど、読者が増えるほど収益が増加しやすい。(一方、これに依存した結果、炎上商法や自己クリック等で悲しい結末を迎える例もあるので注意。兼業ブロガーの場合はこちらをあまり当てにしないほうが良いと思う)この形態では、支援と閲覧は関係ないので、いざ支援してあげようと読者が思ったとき、支援できる窓口を作るとよいと思ったので、1~4を導入した次第です。実際どれが有効なのか、やってみた結果を私なら自身のブログで紹介することおできますしね笑支援してくださった方の名前を金額順に乗せる試みは、プロ奢ラレヤーさんのやり方を参考にしました。
上記を活用した具体例はこちらのボタンをクリック笑

5. まとめ
研究者としての立場や実績に関係なく、ルールの範疇であればお金を獲得する試みが研究費であれ、生活費であれ、あっても良いと思うのです。やっている人が少ないなら、実例が必要ですよね。それが私ではいけない理由がないし、他の人たちはその結果を踏まえて自身の選択の参考にできる(やる価値がないという判断も含め)と思います。思ったらやってみるのも研究のあり方の一つだと思うし、気長に見てみます笑。

もらう側の対応まとめ (7)
  • 個人→個人:年間110万円までは控除(申告不要)、それ以上に贈与税。
  • 法人→個人:雑所得等に計上
参考
  1. 投げ銭ができるウェブサービス・アプリ12選 | バン活! ーバンドで稼ぐ、ロックに生きる- Polca / note / SHOWROOM / YouTube Live / Twitch / キートス / Ofuse / Paypal.me / ニコニコ生放送 / VALU / tipmusic / 仮想通貨
  2. 【投げ銭アプリ / サービス10選】一攫千金も夢じゃない?素人でも稼げるライブ配信サービスを紹介 | ウィルときしん Polca / note / 17Live / YouTube Live / SHOWROOM / Twitch / ツイキャス/  ニコニコ生放送 / LINE LIVE / ココナラ
  3. KyashのQRコードを使った投げ銭Webサービスを作ってみた ~Kyabi.netの開発経緯~ | Cosnomi Blog Kyash
  4. 銀行の口座番号を他人に教えるのは危険?大丈夫?悪用されないの? | Money Lifehack
  5. 贈与と寄附の違い | 丸山正行税理士事務所
私が導入している方法はこちら。
神庭圭佑の研究活動を支援する
京科学者のキレイになる実験ほか_ブログ内神庭研究室

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