2019年3月2日土曜日

研究者は社畜ではダメ_言われた通りに手を動かすのは技官であって、研究者じゃない_#287

若手研究者のハードワークに警鐘を鳴らすコメントに共感したのでまとめました。仕事は命を削るものではないです。奴隷のような社畜労働では勝者になることはできないと思う、そして私は社畜はやらず、ちゃんと休むぞ宣言です笑 (偉くなる前に言うことに意味があると思う=忖度しないでいうべきことを言えるキャラでいくためのブランディング)


内容
ツイッターでみつけた投稿にて。凄く同意できる内容でした。休みは必要ですし、仕事は自分を犠牲にするものではないと思います。人によっては博士課程 (Ph. D.) のDは奴隷とか、バイオ系の若手研究者をピペド (ピペットしかもたない奴隷的な) と揶揄される場合があります。なんでこういう人がでてくるか考えてた時に、生真面目な人が多いからなのかな、と思いました。そこで、生真面目とは根本的に考えが違う、「命令では絶対に自己犠牲しない」僕が、奴隷労働、社畜路線は地獄行きだと主張します。私は、Dは奴隷ではなく、独立準備だと主張します。
つまりね、手足だけ動かしてるだけで、考えてたり、判断してるのが自分ではなくボスだとかいう状況って、研究者じゃなくてスーパー技官なんですわ (論文は出るかもしれないが)。自分で導く力がどれくらいあるかってわかる人が見ればわかるものです。私自身、自分の仕事も、ボスを含め、チームの力で下駄をはいた状態なことはよくわかっています。見栄えだけ立派だけどやらせてみたらポンコツでした、なんて例は珍しくはないでしょう。だから、業績至上主義でそれしか見ないのは地獄行きで、プロであるからには、その業績をつくるその人の本質を見るべきだと思います。学者たるもの、うわべに惑わされて本質を見失うのは望ましくないでしょう。
まず、よく言われることとして、強い (優秀な) 人の条件について。
楽しんでやってる人>主体的に (考えて) やってる人>やらされている (嫌々な) 人<やらない人。そもそも、義務で自己犠牲してやっている時点で勝てるものも勝てないと思います。あと、才能がないとか言い訳してるやつは、僕の経験上、十中八九、やってない奴。ちゃんとやったやつは、「死力を尽くしたけど、勝てなかった」って言うと思います。本気でやってれば、本流の能力意外に自分の可能性や生きる場所を模索します。自分がまけて打ちのめされる現実から目を背けてることを、才能のせいにして逃げてるやつはちらほら見ます。だから、才能とは何で、何をどうすると勝てると思うか?って深堀っするとこういうやつはだいたい詰む。勝負事全般に、方向性、自分の戦い方を知らず、勝てるわけないじゃねぇのって僕は思う。
ここが本質ですよね。決して技官さんを見下しているわけではありません。本職の技官さんには信頼できる仕事をする、チームに不可欠な人がたくさんいると思います。むしろ、現場の仕事に関しては、研究者より技官の方が上であるほうが然るべきだと僕は思います。技官に限らず、研究の現場で実際に手を動かして実験する人は必要だし、大切なことです。現場仕事か否かではなく、上の言われるがままにやっているのか、それとも自分で舵取りができているのかの違いです。問題なのは前者しかできてない場合、研究者になろうと思っているのに、実際は研究者ではなく (スーパー) 技官をやっている例。考えなしに手を動かすことは技官の仕事であって、研究者の仕事ではないと僕は思います。研究は解釈をしたり、方針を決めたりする部分を含めてが研究者、科学者の仕事。上や優秀なチームメイトの言うとおりに動く方が、下手くそのうちは成果になりやすいところが最大の罠だと思う。ここで、解釈や方針決めを人任せにしてしまうと、いつまでたってもそれができない。研究は業績で評価されるから、一見業績を増やすために言われたとおりにやるほうが意味があると思う人もいるけど、独立するためには、この部分が自力でできる必要がある。もっと具体的に言うと、基礎とは基礎知識や実験や研究のイロハではなく、「研究テーマを考え、アプローチを考え、方向修正しながら実際に実験をやって、得られた結果を解釈し、論文として報告しつつ、予算を自力でとってこれるまで、全部独力でできること」。この基礎ができてから、業績の数と質だと思います。それをないがしろにしてとりあえず論文書け的な思考だと、自力では何もできない木偶の坊になるから、なかなか独立できないし、独立したとしてもその後詰む。例えばポスドクだと~の計画を実行するための専任のポジションで雇われることもあるでしょう。そういう時ですら、表向きはもちろんその仕事をやるし、手も動かすのですが、その中で、かじ取りをすることはできると思います。こちらから提案するとかね。そうでなくても、勤務時間外に別の仕事のことを考えたりとか、見てないところで裏で別のことやるとかね (裏実験する場合は8割表の仕事して、残る2割で自分が思うことをやるくらいの配分で、最初はお金や試料を使わない方向で、結果がでてから予備データもってボスにやりましょうって交渉する)。これくらいは、やってもいいと思う (というか、それができないのはハラスメントでもない限り、ボスのせいというより本人のせい)。
言い方は悪いですが、若いうちほど、指導教員、ないしは上司をうまく活用するべきだと思います。最初はやったことがないから当然失敗するし、かじ取りなんてできないでしょう。だけど、じぶんよりかじ取りができる上の人に、自分の考えを話しながら、かじ取りを学んでいくものだと思います。その結果成果がでるのが遅くなることもあるかと思いますが、この、かじ取りができないと、独立、ないしは後輩の指導は絶対にできないでしょう。ただ手を動かせ、という指示では勉強になりません。意図を考えるから勉強になると思います。時に否定され、衝突しながら、自力でやっていくすべを学んでいくのだと思います。逆に、この部分をやらないと手を動かすだけになる。研究で上のポジション、グループリーダーにはこのような能力が不可欠なので、単なる奴隷労働しかしてないと詰むと思います。例え失敗しても、少し成果がでるのが遅くなることがあっても、自分でかじ取りをすることから逃げてはいけない。なぜなら、独立した後は、必ずできなければいけないから、このスキルだけはどうしても早いうちに持っておくべき (ボス任せでは詰む)。バイオ系はピペドで職がない、と言う人がいますが、僕は、ピペド (だれかの言うとおりに手を動かすだけでかじ取りをしない状態) をやっている限り次の職は見つけにくい、ということだと思います。バイオ系でも活躍する人はしてると思いますし。
だから僕は、ちゃんと休みます。健全な8時間は、限界ギリギリの16時間より有意義だと思います。なぜなら、理論じゃなく実験でも、頭使ってこその研究だと思います。
他人の失敗は大いに参考になると思います。
プロは信頼で仕事をしているということだと思います。僕の周りの認められている目上の方々も、圧倒的な業績がある人というより、長くその分野に足跡を残し、プロとして仕事を認められている人が勝ち残っている印象です。

参考リンク

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