2021年6月10日木曜日

万年助手の地位を金で買うことを起点として、「悪の総帥」として君臨するキャリアパスを考える_#789

ここでは、私は今後「経営者として研究をやるつもりだよ」という考えを紹介します。このような考えに至るためのきっかけとしては「権力は金で買える」ことを理解したからです。なお悪の総帥とは、あくまで戦略のイメージであり、法令順守を徹底するので非悪人 (非犯罪者) です笑。ビジネスで言うと、コミュニティビジネスから市場主義へのシフトってとこでしょうかね。


 所謂研究者といえば、一般には大学、研究所、企業あたりから「雇われている」ポジションが想定されます。例えば大学教授などが該当するでしょう。これらの人は給料をもらっている以上、所謂労働者に該当します。雇われている以上は、○○会議やら△△の運営等、研究とは関係ない義務が同時に生じることが一般です。例えば大学教授であれば、講義や研究室の運営 (申請書を書くことも含め) 等は通常の仕事として、大学受験の試験監督等の仕事は、その仕事をすることによってついてくる義務みたいな印象でしょうか。そのような義務の中には、正直これは「この立場の人がやる必要があるのか」と疑問に思うことが多々あります。ある意味やらなくていい雑務に忙殺され、本来力を注ぐべき時間が削られている側面があると思うのです (私は雇われているならば、どんな仕事であれ責任をもってしっかりやるという考え)。

 このようなマイナス面に対するアプローチとして、現代では淘汰されつつある「万年助手」という立場を考察してみようと思います。そもそも、万年助手とは何か、という点に関して、大隅典子先生のブログでは以下のように書かれています。

日本では(多くの会社も含め)終身雇用が一般的であり、大学でも一度、助手(今なら助教)で採用された場合には、順調に成果があがっていれば講師、助教授(今なら准教授)、教授と昇進して、定年退官まで勤めあげる、というのが伝統的には理想形とみなされていた。もちろん、A大学の助手からB大学の講師になり、C大学の助教授を経てD大学の教授になった方もそれなりの数はあるのだろうが、いちばん問題だったのは、業績のない教員でも、そのまま定年まで在籍することが多々あることだった。いわゆる「万年助手」というキャリアパスだ。
任期付ポジションについて考える : 大隅典子の仙台通信 

 現在は、大学等では教授も含めて任期制となっている例が増え、一定の成果がない教員が長い間在籍することが難しくなりつつあります。生産性が低い人材を組織から切り離し、より生産性の高い仕事をする人間を加えたいというのは当然のことだと思います。その結果、かつてのような「万年助手」の立場は少なくなりつつある一方で、若手教員、若手研究者が安定したキャリアパスを築くことが難しくなっている側面がある印象を受けます。成果による競争が生じるため、短期間である一定の成果を出す必要が生じる側面と、人間関係等や人事評価等の影響で、実力とは関係ない部分で人生が左右されてしまう側面があると私は思います。その結果、気に入られるために忖度するとか、自分の優位なように人事権を掌握するような、あるいみ政治的な側面がないとは言えないです。

 企業等のチームの一員として研究を行う場合は、大規模なプロジェクトを展開することができるという強みがありますが、そのチームのやりたい方向に反したプロジェクトができないという側面があります。例えば、既存製品やサービスを用いた営業にマイナスになるような指標を提示することは研究することが難しい等。企業であれば、規模が大きくなるほど分業体制が整っており、仕事としての雑用が別の人に割り振られることが多い反面、マネジメントを行う立場になれば、他部署との関わり等を含め、こちらもある意味政治的な側面が生じ、そこにキャリアが翻弄されることもないとは言えないでしょう。

 このような側面に対して、私は、「兵隊体質ではない」ところもあり、正直「めんどくさい」と思っています (とはいえ、任されたことはちゃんとやる)。このめんどくささを作っている要因は、思うに「労働者」であることから生じているのではないか、と私は考えました。キャリアを進むほどに、管理職となる責任とは一見思えない雑用が増えていくように思われる。だったら労働者をやめればよいのだ、と。それならば、経営者として研究をやればよいのではないか、と考えました。具体的に何ができれば経営者として研究ができるかと考えたとき、以下を満たせばよいのではないかと思います。

  1. 所属機関から経済的に独立している (給料をもらっていない)
  2. 人事権や執行権を主体的に行使できる
  3. 研究を行う環境が確保できる
  4. 可能なら、研究経費も自前で用意できるとなおよい

要するに、自前資金で運転することができれば、雑用が減る (人にやらせることができる) ということを意味しています。特に(1)がそこに該当します。自分一人で独立で研究するなら、(1)があれば、無給ポスドクポジションでどこかに寄生してしまえば達成できます。更に経済規模がおおきければ、自分だけではなく、人を雇うなどして大規模に展開することも可能になるでしょう (2)。人事権に関しては、自分が雇用者側に回ってしまえば管理できますので、他人との間の駆け引きに近い要素を間引くことができると期待できます (2)。研究を行う環境に関しては、他人のチームに参画する方法と、お金を払って部屋を間借りする方があるでしょう (3)。後者に近い形が、所謂寄付講座という形態です。活動資金ですが、通常の方法で獲得することに加えて、自前で捻出することもできると幅が広がると思います (4)。自分で捻出する方法の一つとして、財団のオーナーとなっておく方法が現実的でしょうか。


 加えて、「権力は金で買える」という観点を紹介します。所謂大御所や一流と呼ばれるような一線を退いた研究者にたいして、あえて私は「いくらお金を積めばあなたを引き抜けますか」という質問をよくしていました。その結果、概ね2~4倍くらいの収入を保証すれば、有名大学から零細大学に引き抜くことは可能である回答が得られました。日本の大学職員というのは、公務員に準ずる立場であり、給料は例えば同じ人であれば、国立であれば横並びとなります。一方で「あなたを中心に展開したい」と特定の人に高い待遇を保証し、引き抜くのがアメリカの大学のやり方。アメリカでは、地方大学やマイナー大学であっても、強力なチームがいることが多いのはこのためです。

 ここで汚い話をしましょう。第一線級の研究者が2~4倍のギャラで引き抜けるなら、大学教授のギャラはだいたい1000万円くらいとすると、4000万~5000万を保証すれば引き抜ける可能性があるということになりますね。そうすると、合計1億でその分野に強い絵協力を持つような人を2人ほど引き抜いてしまえば、その分野をある程度牛耳れるんじゃね、ってなるでしょう。自分が経営者で、相手が労働者であれば、資本主義であれば経営者のほうが立場が上になりますから、相手の方が大物であっても雇用してしまえばある程度使役できるということでもあります (もちろん、良識的な範囲で)。同じだけの金額で、より生きたお金の使い方をするなら、重鎮より若手にお金を使う方が圧倒的にコスパが良いでしょう。自由に夢を追わせて安定を保証する代わりに、私の研究で足りないパーツを補ってくれ、的な契約で囲ってしまうとか。そのような人たちが大きくなるほうが、より出資者としては影響力を行使できるでしょう。やっていることを客観的にみると、「悪の組織の総帥」がやっていることがまさにそれですね笑。私のイメージでは、スターウォーズのパルパティーンのポジションがしっくりきます笑。


 実力や経験値の部分をお金で代用することはできないと思います。一方でVIP扱いを受けるとか、一定の権限を持つといった部分は、経済力を伴えば権威と拮抗できるということです。多くの場合は、権威と経済力が相関していることが多いですが、能力などの実力が同等であれば、権威でできることのほぼすべてはお金で代用できるでしょう。良い例でいえば、かつて王族や貴族が担っていた権力を、ブルジョア (金持ち) が獲得していく過程をなぞるようなものです。


 さて、それを夢物語ではなく、実際に自分でやるために何をすればよいのか、という点ですが、以下のような段階を踏めばよいのではと思うのです。このうち、Phase1-1 、1-2を満たす状態が「疑似的な万年助手」の状態で、生活を握られず雑務にも忙殺されることがないと期待できる状態となります。Phase2はそこから実質PIになる状態、Phase3はビッグラボのボスになる状態と考えればよいでしょうか。経営者として参画すれば、任期や定年の縛りが消えると想定できます。つまりは、このようなやり方であれば、万年助教と同程度の雑務のまま、ビッグラボのボスになることは不可能ではない、と私は考えています。

  • Phase1-1 雇われる以外の方法で生活費を捻出する
  • Phase1-2 財団法人をつくって、そこから自分に研究費を出資する
  • Phase2 資産管理会社をつくり、人を雇う、人を支援する
  • Phase3 巨大グループのトップになる

Phase1-1 雇われる以外の方法で生活費を捻出する

 運転資金を自分で捻出できるなら、義務としての仕事を大幅に間引くことができるでしょう。私の場合は株の運用や、広告等の副収入がこちらに該当します。贅沢しないのであれば、とりあえず生きられるだけの所得が作れれば達成するでしょう。この部分が一番の関門といっても過言ではありません。株式などの有価証券の場合は、法人の場合は含み益に課税されることが想定されるため、運用するなら配当所得が2000万円に達しないうちは個人で運用するのが望ましい印象をもちます。まずは、本業があるうちは本業ベースにお金を貯める。研究が本業ではできなくなる可能性が生じるまでに、100万円プラス不労所得で生活資金を得るくらいが最低ラインでしょうか。残り100万円くらいまでなら一部の日をバイトなどで埋めるやり方でも、とりあえずぶら下がるだけならできるでしょうね。こんな方法でぶら下がることができる対象としては、「独立したてのPI」「ポスドクを雇う資金がないPI」が該当するでしょう。予算としては、基盤Bクラスをとっているようなチームで、仕事内容がマッチしていれば、無給でいいから入れてくれと言えば、充分可能性があるのではと思います (あるいみ、万年助手的なポジションがそこを埋めていた側面もあると思うので、そこに収まることは難しくなさそうに思います)。資金的には、私の場合は、最低ランクは超えているとは思います。それ以上ができるか否か、というところですかね。

Phase1-2 財団法人をつくって、そこから自分に研究費を出資する

 何らかの形で研究機関に席を置いてしまえば、そこに研究資金を投入することができれば、常時研究費がある状態が作れます。現時点で有効だと私が考えている方法としては、自分がオーナーの財団法人を所有し、そこから一定額を研究費 (寄付金枠) として活動資金に充てる方法です。Phase1-1で捻出したお金を移動する形であれば、国からの研究費では禁止されている「プール金」的な使い方がルール上はOKとなります。会計年度をずらせば、年度末等の通常の研究費の切れ目の部分をフォローできることが想定されます。財団を保有するには、常時最低300万円の資金が必要ですが、私の場合は現時点で達成しているので、必要な時が来れば稼働させることになるでしょうか。個人からの寄付にするより、財団という入れ物を使う方が、活動資金にするうえでは都合が良さそうに思う (もちろん、それがどこまで可能かどうかは所属や税務署、場合によっては省庁等と相談するほうが良い)。加えて、他人の支援を行う場合は、特に研究費を出資する場合は、個人でやるより財団を経由するほうが税制面等を含めメリットが大きいと私は思います (個人で支援すればそれは贈与で、一定額以上だすと贈与税を取られます。代表例が給付型の奨学金)。

 財団法人を自前で持つ意味は、主導権を自分が持てるから。クラファンだと、どうしても出資者の意向を無視できず、一般受けするネタになりがちで、未達成のプランを公表するリスクを伴う。何より、投資家としてみれば、魅力的なリターンを出資者に出せないリスクがでかい。研究は商品開発ではないので、実用化された商品を送るとかが難しい。マグカップやTシャツのようなグッズは、正直私ならいらないので、その人 (プラン) を支援したいと思うかという要素が重要になると思う。他に魅力的なアウトプットがあるとすれば、活動報告や講演等の「労働」になるのだけど、これって (ある意味避けようと思えば避けられる) 雑用じゃん、と私は思う。そういうのは積極的にやりたければやればよいと思うけど、研究とは専門化による専門家に向けたアウトプット (B to Bビジネス的) の側面が強いので、お金を得る部分にB ro C (一般人向け) ビジネス的な側面を入れない、という考え方であれば、自分でコントロールできる自前の財団が理にかなっているという印象です。

Phase2 資産管理会社をつくり、人を雇う、人を支援する

 ある程度資産規模が大きくなれば、株式会社化してしまうとよいと思います。金融商品や広告等で活動資金を賄い、利益分を研究活動に充てる、といった事業となるでしょうか。このレベルに到達できれば、広告が大きな収益の柱になることが想定されます。すくなくともPhase1を達成するまでの過程に商品価値が生じるため、恐らく主として広告で利益をだし、保険で株を買っておく的な感じでしょうかね。この状態は人事権を握れる形態なので、PIに相当する状態になるでしょうか。加えて、他の教員との綱引きのような要素が排除できる公算が高いと考えられます。

 前項で軽く触れましたが、基本的には研究それ自体では赤字になります (黒字化するには商品化に向けた試みをしなければなりません。ある意味、特許もその一つのような位置づけでしょうか)。研究で垂れ流す赤字、というか研究の活動経費を、別の経済活動でカバーしよう的な方針ですね。商品化とかがしたければそれこそ起業してしまうのが良いでしょう。つくったものをお金にすることをやらないのであれば (通常の研究のスタンスを貫くなら)、別の方法で資金を獲得するのが都合が良いと思います。その場合、株式会社という形態をとって損益通算してしまうのが都合がよいでしょうね。

 人を雇うという意味では、雇い主だけが甘い汁を吸っていては当然破綻するので、雇われる側に通常より良い条件を提示する必要があるでしょう (でなければ引き抜けない、特にどこの馬の骨とも言えない謎法人の案件なんて初めは相手にされないのが当たり前)。支援を受けた人が感謝したくなるようなものである必要があると考えています。私自身は忠誠心がないSな性格をしていますので、S的な人がのびのびやれるようなもの、が候補でしょうか。お金と自由を保障するから2割くらいは雑務求めるけどあとは好きにやれ的な。まずは自分に近い人から、甘い言葉でジェダイのアナキンをシスに闇落ちさせるパルパティーンのような感じで引き抜いていくのでしょうね笑。このような形で、悪の使徒を増やしていく、といったやり方を取っていく感じでしょうか笑。

Phase3 巨大グループのトップになる

 最終段階としては、Phase2でつくった会社で人材を引き抜いていけばよいと思うのです。チームはそのままに、例えば大学教授をお金で引き抜いて寄付講座にして、チームごと傘下に入れてしまうやり方。M&Aに相当するやり方が使えるでしょう。一般に、大学教員の給料と、投資家の所得を比較すると、投資家として中の上から上の下くらいの稼ぎに達すれば、このカテゴリに入れる印象を持ちます。どんどんチームを取り込んでいけば、ある意味世界征服みたいな感じになるでしょうね笑。金融システムにお世話になる関係上、法令順守を徹底するので悪人にはなりません笑。一方で、悪者の戦い方そのもの、白い巨塔的なものを正義とするなら、その対抗勢力という位置になります。スターウォーズのジェダイに対するシスのポジションであり、権威主義などに代表されるローカルビジネスに対する、市場主義のポジションともいえるでしょうね。権力争いや足の引っ張り合いには私は興味がない、という意思表示です。


 何にせよ、千里の道も一歩から。かつての「万年助手」の立ち位置を再現することを起点にする、的な考えは一般的ではありません。通常バッシングやマウントを取られる等で攻撃されやすいやり方なので、多くの人は多分やりたがらないだろうな、と私は思います。一方で、いじめつぶし等をコンテンツとしている私としては、ビジネスチャンスとして使えるのではないかと期待しています笑。結局は自分の人生のあり方は自分で決めるものであり、だれかのための歯車として輪廻の一部として自己犠牲するものではないと私は考えています。他人の価値観を否定するつもりはありませんが、他人に私の価値観を握らせるつもりもありません。末筆ですが、これはあくまで手段であり、目的ではないことを肝に銘じておかねばなりません。あくまで手段の一つにすぎず、数ある選択肢の中の一つであることを忘れてはならないと思います。だからこそ、手札を明かしたところで、何も問題はないのです (こんなことを言うから無駄に悪役ポジションに落ち着くのだが笑)。

イジメ潰しコンテンツより。私自身の名誉、権利、味方、財産等を守るために、このような口喧嘩の技術が役に立つと考えています笑



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