2025年4月3日木曜日

適齢期は既に過ぎた者が、「研究業界の闇の深淵から」勝ちあがる道を探して

前のに「[不服の極み] 研究室主催者の最終選考で落ちた結果、研究費と仕事を失いました」という投稿をしました。これをみて、「会社が倒産したとか、リストラされた人と似たような状況だろ、若いんだから頑張れ」などと思う人がいるかもしれませんね。プログなんぞで乞食のようなことをするな、もっと頑張れなど。客観的にみると、研究業界で今の私のような立場に置かれている人は、一般にはもっと深刻ですよ。ここでは私が発信などという方法にすがることになった業界の背景のようなものを紹介します。

HUNTER×HUNTER No.22


適齢期、年齢制限

(大学や研究機関といった) 研究業界とはいっても、分野や状況などによっては状況が異なりますが、適齢期のようなものとしては、35歳前後までに助教、45歳前後までに教授、せめて研究室主催者として独立している状態、くらいが一般的に思います。もちろん、例外もありますが。さて、私の状況をみてみると、現在38歳で、契約が切れて無職となっていますので、この時点でほぼ可能性はなくなってますね。

  • 在野の研究者でなどという考えもあると思われるかもしれませんが、実際経験したから分かったことですが、科研費といった国の助成金を受け取るためには、国が認定した研究機関 (大学や研究所など) に所属している必要があります。在野の場合は、基本的にはこの資格を満たせず、研究費を獲得したという実績がつくりにくい状態になります。無理やり同等のものをやろうとすると、それ相応に資金が必要になります。そして、このような機関に所属していなければ、論文 (研究業界の情報源) が入手できません。一応、論文は知り合いなどに頼んで入手したり、お金で買う方法があります。そして設備についても、自前で用意するのは大変です。研究資金、情報源、設備については、お金で解決することも可能ではありますが、全部やろうとするとそれなりの額が吹っ飛びます。これをやろうとすると、いきなりある程度余剰資金を持っている状態でなければ難しいでしょう。

私と似たような状況で、一般的な取り得る選択はこんなもん

  1. ワンチャン可能性に賭けて公募などに応募する。
    採否は必ずしも業績だけで決まるわけではないし、何が見られるかは採用元によって異なるので、もしかしたら可能性があるかもしれません。
  2. 任期付き職 (一般には研究員) を定年前後まで転々とする。
    これは研究自体は続けることができるはできますが、待遇があがることは考えにくいです。非常勤職であり、常勤職に比べて一般に給料が安く、手当等も少ないことが一般です。所属元の上司などの状況に左右されるので、上が定年になれば異動する必要が出るなど、外的要因の影響を受けやすく、不安定になりやすいです。海外でやろうとすると、ある程度以上の年齢になってしまえば実質片道切符で、そちらに骨を埋めるというか、二度と戻れない覚悟で行くような状態でしょう。若ければ次のチャンスがそれだけありますが、若くなければ地に足をつけて生活することを考えなければなりません。
  3. 常勤ではあるが研究をサポートする職に就く。
    技術職員のような職であったり、研究支援要員であったり、最近ではサイエンスコミュニケーターであったり、何かしら研究や科学とか学問全般と一般を繋ぐ部分に相当する役割が多いかもしれません。
  4. 研究関連の業界に転職する。
    経験が生きる可能性がある業界なので、転職するとしたらこのルートが一般には多いと思われます。一方で、企業等であっても研究関連のポジションは枠が少ないことが多く、分野によってマッチするしないがあるでしょう。例えば、有機化学は比較的枠があると思いますが、理論物理のような分野は枠が少ないと思われます。たまたま自分が探していた時に求人が出ているかといった、タイミングが重要に思います。
  5. 別の業界に転職する。
    別の業界は別の業界で、所謂中途採用ということになりますね。その業界で長く続けた人や、めぼしいスキルをもった人との競争になるでしょう。政治家とかになるのもある意味この枠に思います。
  6. 起業する。
    この選択は珍しいと思います。個々の状況によるので何とも。
  7. 家業を継ぐ
    家族、親族などで何かしら事業をしている場合、会社であろうが、農家であろうが何でも良いですが、家族が持っているものを引き継いだりする選択。これはそういう人が身近にいる場合に取れる選択ですね。
  8. 家庭に入る
    専業主婦、主夫になる選択です。既婚者であり、どちらかに収入がある場合はこの選択がとれるでしょう。
以上紹介して何が言いたいかというと、中途半端に通用して登れば上る程、上手くいかなかった場合に、研究で妥協して何かするのも、他の道に進むのも難しくなると思われます。ここら辺はあくまで私の認識ではありますが、現状とそんなにずれてはないと思います。

で、お前は発信をどうしたいの?

ここまでは一般の話、これからは私の話です。見るべきは統計のN (全体の傾向) ではなく、外れ値 (個) だと思います。やっぱり、研究の第一線でやりたかったし、こんなブログ書いてるくらいには未練タラタラですね笑。そうすると、今の私のすべきことは、何でも良いからお金を作ることだと思います。まずは生きなければなりません。生きるにはお金が必要です。ここまで紹介した中で、今私の持っている手札を見ると、研究の職は失ってしまったものの、投資家 (主に株)、発信 (ブログ及び配信) が残ってますね。そしてこの発信というカード、収益化できる状態にある。ならば、株だろうが失業保険だろうが何でも良いから少し浮かす (一定期間生存する) 状態を作り、ブログを稼働させよう、と考えました。一旦2の選択で任期付きの仕事をやる可能性は充分ありますが、その後の道を作るために、暇になった今ブログを触っておこうと思うのです。

  • さて、研究の業界をいったん離れてから戻るならば、ずっとやってきた人とは別の武器を持っていく方が望ましいですね。差別化のために。勝つためにな何か勝ち筋が必要です。そうすると、発信ってカードが使えると思いました。研究業界以外からもお金を引っ張ってくれば、取り込めるお金の期待値は研究だけを見た場合を上回ると思われます。これは市場の話で、ニッチな市場か、一般的な市場かという話と似ていると思います。
  • お金だけつくるのでしたら、例え苦労しても一度お金を作ることに集中して戻ることを考える人がいると思いますが、この選択は私は現実的に思いません。たとえば研究をサポートする側にの仕事については、[選択] 研究者のキャリアにうまくいかなかったら、サポートする人を目指す的な考え、私は200%受け入れない、で書きましたが、メンタルが壊れる、感情的に耐えれないと思います。感情を壊れたもう若くない奴に何ができるの?って思います。感情が壊れたらもう詰みでしょう。そうなれば、生きるための仕事にしがみつく選択くらいしか残らないでしょう。ある意味、夜職のような仕事を頑張るとか、複数の仕事をかけもつとか、マグロ漁船といった体は酷使するものの一定のお金を稼げるルートを選ぶのは、もう若くない今やるべき選択ではないと思います。心や体を壊したら、もうただ生きる以上を目指すのは難しいでしょう。そういう道に進みたいですか、と言われたら私は嫌です。勝ちたいから、心と体は意地でも守り通ります。

HUNTER×HUNTER No.22


少し浮かせて、壁を壊して近道をしたい

今はまだ配信で生活できるほどのお金が手に入ってないけど、早い段階で壁を壊せれば、近道に繋がっていると思うのです。やっぱり、遠回りなんてしたくないです。例え乞食のような振る舞いをしようと、勝ちたいものは勝ちたい。先がないと諦めた未来より、篝火のようなものであっても、先を期待できる何かへ向かいたい。それでこんな選択になりました。今回挿入したHUNTER×HUNTERのシーンのような状況、「『長く困難な道』の方から入って、元職の収入に頼れるうちにに壁をこわし『本当に行きたい道』の方に出る・・・確かにこれなら闇の深淵から適齢期内に脱出できる」。自分でやるのは癪ですが笑。


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